20230616

20230615

 フライトが遅れたおかげで乗り継ぎのフライトに乗れず、振替えられたフライトの出発も遅れ、ぽっかり生まれた時間。ベオグラードに着く頃には日付を超えそうだ。


大きな空港で行き交う人たちを眺めながら、ぼんやりする時間は大好きだ。普段ならまったく問題ないのだけれど、明日は早朝から丸一日仕事なので早く辿り着いてベッドに横になりたい気持ちが勝ってやや落ち着かない。先週ギリシャに行った時に宿の空調のせいか体調を崩してしまい、まだ絶賛引きずり中なこともある。ドイツの知り合いはヨーロッパの沖縄みたいな島だと教えてくれた。青と水色が共存した海がとても綺麗だった。街の人たちが陽気で心地よかった。




空港の中、国は変われど話される言葉はドイツ語だから、少し安心感もある。ドイツでは英語が聞こえてくると安心するが、さらに他の国に行くとドイツ語が聞こえてくると安心するようになった。まだまだ単語すら心許ないけれど。

毎日の生活の中で、

Ich kann nicht gut Deutsch sprechen. (私はドイツ語がうまく話せません

を色々なところで使っていたら、このフレーズだけとても流暢に話せるようになってしまい、俄然ドイツ語で捲し立てられるような始末。



生活はというと、最初の1-2週間で目新しいこともさほどなくなり、いい意味で淡々と繰り返す日常を送れている。

初見の感動を記すタイミングは完全に逃してしまったが、もう少し熱が冷めてから一歩引いた形で残しておきたいと思っていたこともある。

ハイキングや蚤の市や美術館に行ったり、映画やライブを見に行ったり、日本にいる時とほとんど変わらない過ごし方。内容はもちろんだけれど、それぞれの場所が面白いので、カテゴライズして追記していけたらと考えている。あとは自転車さえあれば...



昨日はÁsgeirさんのライブを見に行った。できるだけ名前を聞いたことのないローカルなアーティストのイベントに行きたいと思っているけれど、会場も気になっていたので行ってみた。

会場はSchanzenzeltという公園の中にイベントの時だけ出現する狭いテントで、端には円を描くようにぐるっと席があってサーカスが始まりそうな雰囲気。開演前はお客さんがテントの外の芝生でゆったりしていて気持ちいい。






Ásgeirさんは10年くらい前にアイスランドに行った時にまだアイスランド語の音源しか出てなかったCDを現地で買ったことがあって(12 Tónarという有名なお店)、聞くとその時の数日間がフラッシュバックしてとても懐かしい気持ちになる。

最近は音楽をほとんど聞かなくなってしまったけれど、昔の知っている曲もやっていて、あの空間で目の前で見れて嬉しかった。終演後少しだけ話ができて、来月フジロックで来日するとのことだった。思わず、日本のみんながあなたたちを待ってます!と日本代表の挨拶をしてしまった。



そういえば、行きしなに空港でOnigiriを見つけたので思わず買ってみた。一昨日RisofortMartinとおにぎりの話になり、ぜひ食べて本場との違いを教えて欲しいと言われていた。ヴィーガンなこともあり13ユーロで450円くらい。味は美味しかったけどリゾットみたいだった、日本のはお米がもっと硬いよと伝えた。





おにぎりに限らず、こちらはヴィーガンの選択肢もかなり多いのも魅力的。このことも別立てで書きたいなと思っていたけれど、スーパーで売っている惣菜からインスタント麺、学食のメニューまで、通常の選択肢の中のひとつとして当たり前のように入っている印象。食べ物に限らずBio認証マークが入った製品は多いが、ヴィーガン認証マークが入った製品も結構ある。別の知人に聞いたらここ数年で徐々に増えてきているとのことだったが、日本と比べるとその差は歴然のように思う。自分はヴィーガンはおろかベジタリアンでもないけれど、極力菜食中心にシフトしたいなというふわっとした気持ちだけはずっとあるので日本で生活している時よりそれが気軽に実践しやすい。



当初予定時刻から6時間、やっと搭乗できそうだ。どんな町でどんな人たちが暮らしているのだろう。楽しみだ。

20230519

20230518

こちらへ来て2週間、毎日新鮮な景色ばかりでまだまだ旅行気分は抜けないけれど、徐々に小さな繰り返しの淡々としたリズムができてきた。


ここ最近はあまり公にテキストを残すようなことはしていなかった。やはり極めてプライベートな淡々としたような内容であればある程、特段公誰かに見てもらいたい気にもならず、万が一見てもらえるのであれば手書きかつ顔を合わせて手渡しされるZineのようなメディアが落ち着くといったこともある。

けれど今回ここに来るにあたって、インターネットの知らない人たちも含め、たくさんの人たちから情報をもらえたおかげで本当に助かった。

だから大したことのない日常から、ちょっとした豆知識に至るまで、限られた期間を背伸びしない自分なりの言葉で残しておけたらと思う。自分の身体を通して感じたいまのここを記録するための日記として、いつかの誰かの役に立つかもしれない情報として。


「残す」と「見てもらう」にあたって、どういった手段がいいかなとずっと考えていたけれど、ここがおもしろいかなと思いました。大きな海に人知れず小さな石を投げる気持ちで書けます。

どうしても可読性は低いのですが、PC表示した時の下の方に苦し紛れにラベルを追加してみました。あとは勝手ながら、このサービスができるだけ長く続くといいなと思っています(いまBloggerなんて使っている人はいるのでしょうか?)


やっと先週から近所の大きな公園をランニングし始めた。いつも走っていた距離を少しだけ長く走っているけれど、ずっと木々の間を鳥の声を聞きながら走れるので初めから終わりまでとても気持ちがいい。暮らしているのは都市部だけれど、緑で覆われた大きな公園が点在しているので、困ることはない。

今週あたりから21時くらいまでは明るくて、たくさんの人たちが芝生に寝転んだり、川沿いに腰掛けて話をしていたりする。鳥たちも遅い時間まで気持ちよく鳴いている。ただ、まだ朝晩は10℃を下回ったりするので、気温差にやられないようにジャケットをリュックに忍ばせて用心している。(リュックサックの語源はドイツ語のRucksack)


公園をぐるりと回って帰って来て、夕飯の支度をして、久しぶりに筋トレをしてみる。昨日、街中でヨガマットをいただいたからだ。歩いていると軒先に置かれた「zu verschenken (ご自由にお持ちください)」と書かれた箱に出くわすことは少なくない。

毎週、色々な場所で同時多発的に蚤の市(Flohmarkt)も開かれていて、骨董品だけでなく服や消耗品といった日用品も数多く売られている。これらを組み合わせれば、新品のものを買わなくても生活していけるのではと思ったりもする。ドイツの人は物を大切にする気質があるというのをどこかで見かけたが、まだほんの少しの滞在でも納得する場面は多い(何かのカテゴリで個人をひと括りにするのは好みではないのだけれど)。これについてはまたあらためて書きたい。


何はともあれ、今のところ様々な面で非常に気持ちよく生活できている。最初と最後で、良くも悪くも価値観は移り変わっていくと思うが、そういった変遷も含めて楽しめるといい。



初日、早朝に空港に到着し、仮住まいのアパートに直行した。ベランダの窓から見える隣の公園の大きな木に、ぱあっと咲いた桃色の花。いつの間にかすべて散って、今は新緑の葉をびっしりと携えて、そわそわと夏を迎える準備をしている。

ここにも確かに、5月のウナ電が届いているのだとうれしくなった。


バンブツ イツセイニタテ

アヲキトウメイタイヲ イチメンニクバレ

イソゲ イソゲ

ニンゲンカイニカマフナ