フライトが遅れたおかげで乗り継ぎのフライトに乗れず、振替えられたフライトの出発も遅れ、ぽっかり生まれた時間。ベオグラードに着く頃には日付を超えそうだ。
大きな空港で行き交う人たちを眺めながら、ぼんやりする時間は大好きだ。普段ならまったく問題ないのだけれど、明日は早朝から丸一日仕事なので早く辿り着いてベッドに横になりたい気持ちが勝ってやや落ち着かない。先週ギリシャに行った時に宿の空調のせいか体調を崩してしまい、まだ絶賛引きずり中なこともある。ドイツの知り合いはヨーロッパの沖縄みたいな島だと教えてくれた。青と水色が共存した海がとても綺麗だった。街の人たちが陽気で心地よかった。
空港の中、国は変われど話される言葉はドイツ語だから、少し安心感もある。ドイツでは英語が聞こえてくると安心するが、さらに他の国に行くとドイツ語が聞こえてくると安心するようになった。まだまだ単語すら心許ないけれど。
毎日の生活の中で、
Ich kann nicht gut Deutsch sprechen. (私はドイツ語がうまく話せません)
を色々なところで使っていたら、このフレーズだけとても流暢に話せるようになってしまい、俄然ドイツ語で捲し立てられるような始末。
生活はというと、最初の1-2週間で目新しいこともさほどなくなり、いい意味で淡々と繰り返す日常を送れている。
初見の感動を記すタイミングは完全に逃してしまったが、もう少し熱が冷めてから一歩引いた形で残しておきたいと思っていたこともある。
ハイキングや蚤の市や美術館に行ったり、映画やライブを見に行ったり、日本にいる時とほとんど変わらない過ごし方。内容はもちろんだけれど、それぞれの場所が面白いので、カテゴライズして追記していけたらと考えている。あとは自転車さえあれば...。
昨日はÁsgeirさんのライブを見に行った。できるだけ名前を聞いたことのないローカルなアーティストのイベントに行きたいと思っているけれど、会場も気になっていたので行ってみた。
会場はSchanzenzeltという公園の中にイベントの時だけ出現する狭いテントで、端には円を描くようにぐるっと席があってサーカスが始まりそうな雰囲気。開演前はお客さんがテントの外の芝生でゆったりしていて気持ちいい。
Ásgeirさんは10年くらい前にアイスランドに行った時にまだアイスランド語の音源しか出てなかったCDを現地で買ったことがあって(12 Tónarという有名なお店)、聞くとその時の数日間がフラッシュバックしてとても懐かしい気持ちになる。
最近は音楽をほとんど聞かなくなってしまったけれど、昔の知っている曲もやっていて、あの空間で目の前で見れて嬉しかった。終演後少しだけ話ができて、来月フジロックで来日するとのことだった。思わず、日本のみんながあなたたちを待ってます!と日本代表の挨拶をしてしまった。
そういえば、行きしなに空港でOnigiriを見つけたので思わず買ってみた。一昨日RisofortのMartinとおにぎりの話になり、ぜひ食べて本場との違いを教えて欲しいと言われていた。ヴィーガンなこともあり1つ3ユーロで450円くらい。味は美味しかったけどリゾットみたいだった、日本のはお米がもっと硬いよと伝えた。
おにぎりに限らず、こちらはヴィーガンの選択肢もかなり多いのも魅力的。このことも別立てで書きたいなと思っていたけれど、スーパーで売っている惣菜からインスタント麺、学食のメニューまで、通常の選択肢の中のひとつとして当たり前のように入っている印象。食べ物に限らずBio認証マークが入った製品は多いが、ヴィーガン認証マークが入った製品も結構ある。別の知人に聞いたらここ数年で徐々に増えてきているとのことだったが、日本と比べるとその差は歴然のように思う。自分はヴィーガンはおろかベジタリアンでもないけれど、極力菜食中心にシフトしたいなというふわっとした気持ちだけはずっとあるので日本で生活している時よりそれが気軽に実践しやすい。
当初予定時刻から6時間、やっと搭乗できそうだ。どんな町でどんな人たちが暮らしているのだろう。楽しみだ。