いつも傍に線路が走っていて
夜中に歩くと
その側にいつもラブホテルがある
ふと入ったコンビニの店員さんが、
前髪が真っ直ぐで、すこし小太りで、とても真面目そうで、
ありがとうございますと言われた後に、なんだか微笑ましくなって、それからなんだか悲しくなった
コンビニを出て、真っ暗な夜に飛び出してすぐに、死にたくない、と漠然とそう思った
この前東北に行った時、早朝たまたま入った全国チェーンの牛丼屋で、おばあさん一人で切り盛りしていた光景を見た時も、同じ様になんだか悲しくなった
同じ世界で並列に流れている数え切れない程の人生を想像して、そのひとつひとつを自分には確実に経験できないことを想像して、有限な命の限界を目の当たりにして、そう思えたのだろう
死ぬために生まれてきた
生きるために生まれてきた
いつ死んでもいい、くらいに後悔とかないつもりだったのだけれど
知らないことが山の様にあることを知ってしまうと、欲が出て、まだまだ知りたくなってしまう
今日見た色々な景色も影響したのだろう
さっき対応してくれた研修中のフロントの子のお陰かもしれない、インドとかバングラディシュとかパキスタンとかそちらの人、笑顔でとても丁寧に日本語を話してくれた
前向き
特段後ろ向きではなかったけれど、いまだけを見ようとしていたから、面白い変化
初めての土地に来ると、自転車で初めての土地を次から次へと通り抜けた時のことを思い出す
もっとじっくり向き合えばよかった、自分にも、それぞれの土地や人にも、
後悔しているのかもしれない
環境ががらっと変わると、自然とぼんやり考えることができる、一人で夜を歩くのが好きだ
非日常的な景色や経験が誘発剤になっているのは間違いないけど、
ぐるぐる回るだけのほとんど同じ昨日と今日と明日から一歩でも踏み外して、
がちがちになった意識をふやかして、
どこまでも際限なく広がっていることを認識し直したい
関西に来ると、
いつも傍に線路が走っていて
夜中に歩くと
その側でいつも踏切の音がする
そんな感じ