20160831

20160830

終電が近い駅のホームで


あの人は、誰に向かってでもなく
皺だらけの遠い目で
向かいのホームを見つめて


台風が秋の風を運んできたよ


と少し笑いながら、
静かに言った



その瞬間、風を感じた
きっとずっとそこにあったけど、
気付けていなかった



でも、それは
間違いなく秋の風だと思った



綺麗な時間だ
と思った



そういえば昼のセミの声は消えて
夜のスズムシの声は増えて



ふとした時に感じとれる
季節の変わり目が好きです
暦の上の数字で決められない



いとしない、
ふとした、
瞬間が好きです



固まりかけた認識をひっくり返せる



もう秋みたいですね
秋も嫌いじゃないです



そんな感じ